海の見える街

意味とか価値とか、そういうのがあると最高に良い

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

試験管の中の事件

泳げ/壊せ/創造しろ/美しくありたい君は汚らわしい/最低/懺悔は漂っている/断罪はない/ない/ここにはない/なにが?/なにもかも/繰り返しに飽きた時がきっと最期/輪の中で死んでいくぼくらだ/君の瞳はきっと赤色/緩やかな退廃と/誰の心も打たない叙述/まるで…

信仰

音楽で人を変えられるのなら、 それはきっと美しい完全犯罪。

決意の朝、訣別の夜

寄り添わない。 背中なんて押してやらない。 そんなものをぼくは歌わない。 そんなものはぼくじゃない誰かがつくる。 「甘えるな」 「死んでしまえ」 強く、 強く、 強く。 きみの「それ」は、美しい劣等感。 ぼくなんかいなくたって、 黙って生きてろ。 同…

風船の詩

淘汰と排他を繰り返して、僕は土が嫌いだった。 琥珀色の嘘に騙されて、今日も推理と料理の区別がつかない。 無花果の花は実の中で咲くんだって。 回転する帚を眺める猫の瞳は硝子で出来ている。 この国家では、どこにでも柱が立っているね。 まるで柱の種子…

一緒に

あれがもう五億年も前のことだなんて、 未だに信じられないな。 太古の呪い。 恐竜に憧れたあの子。 誰何を問えば意味は失われてしまう。 言葉が花になってくれたら、うまく渡せるのに。 どんなにやさしい気持ちも、 口に来た時には冷めてしまっている。 何…

ぼくは忘れない

君がまだこの星に生きているってこと、覚えてるよ。 こうして歌にしてまで、忘れないでいようとするのは、 きっと愛しているから。 本当、殺したいくらい。 自意識過剰だなんて言う連中に真実の愛なんてわかりっこない。 君は五線譜の中に何を見た? 誰より…

人間

生まれただけで罪深い。 原罪 ひとさじ 汚れきった性欲 3ミリグラム 不出来な計算機 一台 煮込んで成型して、 出来上がったぼくらはどうやら神様と同じ形をしているらしい。 『昔々、あるところに、夜を食べた梟がいました』 なんて、誰が幸せになれるんだよ…

万華鏡とシザーハンズ

余った紙粘土。 干からびているのを見て、死んでるって思ったのは私だけ? ねえ、心の在処を教えてあげようか。 君は随分長い間心ばかり探しているようだから。 朝焼けの色をしたコーヒーを飲んだ時。 お気に入りの靴を履いた時。 誰かの温もりに距離を感じ…

アトリエの箱

どこまでも芸術家でありたいと思った。 君だって誰かを殺したくなる時があったでしょう。 哲学と音楽と言葉とコーヒーと。 ぼくを構成するすべてが何かを否定しようとするのなら、 法律とか良識とか、 そんなものが何になるっていうの。 水槽に閉じ込められ…

うたかたはうつつのそばで

簡単に死ねなんて言うなよ。 何も傷つけたことのないみたいな、無垢な顔で君は言う。 歌がどこまで歌であり続けられるかなんて私は知らないけれど、 誰もが音楽の必要性を信じてる。 その金魚に名前はない。 さっき読んだ小説の主人公のほうが、 私たちより…