海の見える街

意味とか価値とか、そういうのがあると最高に良い

貝殻とキリン、あるいは紫陽花

この病熱のままで、揺蕩っていたい、花の名前を当ててみせて、痛いのに慣れた君の身体は、ゆっくりとほどけてしまった、かみさまのあそびを覚えたひとから消えていくんだね、鈍色の食器、本棚の木目をそっと撫でて、葉脈を想う、そういうとき、私はきっと形而下にいない、私の一部は原始君だったことをおぼえている? 線もまた粒子のなかで流転していて、全てはそこに還ってゆく、不思議だね、名前がついていくということ、私にも名前がいくつもあるということ、言語によって安全が規定された、危うく美しい丸、住民の形を、煉瓦のあたたかさを、寂寞を、吝嗇を、