海の見える街

意味とか価値とか、そういうのがあると最高に良い

Krankenhaus

知りたいは、愛だね。君はきっと自重で死ぬ。狭いところがあなたは好きでしたね。白を基調にした交差点を、今でも憶えています。死にたいと助けての意味は、希釈されてしまった。「これは宗教です」そう言ってくれれば、楽になれるのに。火で遊ぶこどもみた…

初詣に行った時の詩

誰かの祈りが結んである、綺麗だって思う、人は嫌いだけど、街が好きなように、祈りだって美しい、好き、愛してるよ、特別な日には、特別な私でありたいと新しい私は言う、吐く息は白くて、甘そうだね、最近私はすこしだけやさしくなってしまった、弱くなっ…

試験管の中の事件

泳げ/壊せ/創造しろ/美しくありたい君は汚らわしい/最低/懺悔は漂っている/断罪はない/ない/ここにはない/なにが?/なにもかも/繰り返しに飽きた時がきっと最期/輪の中で死んでいくぼくらだ/君の瞳はきっと赤色/緩やかな退廃と/誰の心も打たない叙述/まるで…

信仰

音楽で人を変えられるのなら、 それはきっと美しい完全犯罪。

決意の朝、訣別の夜

寄り添わない。 背中なんて押してやらない。 そんなものをぼくは歌わない。 そんなものはぼくじゃない誰かがつくる。 「甘えるな」 「死んでしまえ」 強く、 強く、 強く。 きみの「それ」は、美しい劣等感。 ぼくなんかいなくたって、 黙って生きてろ。 同…

風船の詩

淘汰と排他を繰り返して、僕は土が嫌いだった。 琥珀色の嘘に騙されて、今日も推理と料理の区別がつかない。 無花果の花は実の中で咲くんだって。 回転する帚を眺める猫の瞳は硝子で出来ている。 この国家では、どこにでも柱が立っているね。 まるで柱の種子…

一緒に

あれがもう五億年も前のことだなんて、 未だに信じられないな。 太古の呪い。 恐竜に憧れたあの子。 誰何を問えば意味は失われてしまう。 言葉が花になってくれたら、うまく渡せるのに。 どんなにやさしい気持ちも、 口に来た時には冷めてしまっている。 何…

ぼくは忘れない

君がまだこの星に生きているってこと、覚えてるよ。 こうして歌にしてまで、忘れないでいようとするのは、 きっと愛しているから。 本当、殺したいくらい。 自意識過剰だなんて言う連中に真実の愛なんてわかりっこない。 君は五線譜の中に何を見た? 誰より…

人間

生まれただけで罪深い。 原罪 ひとさじ 汚れきった性欲 3ミリグラム 不出来な計算機 一台 煮込んで成型して、 出来上がったぼくらはどうやら神様と同じ形をしているらしい。 『昔々、あるところに、夜を食べた梟がいました』 なんて、誰が幸せになれるんだよ…

万華鏡とシザーハンズ

余った紙粘土。 干からびているのを見て、死んでるって思ったのは私だけ? ねえ、心の在処を教えてあげようか。 君は随分長い間心ばかり探しているようだから。 朝焼けの色をしたコーヒーを飲んだ時。 お気に入りの靴を履いた時。 誰かの温もりに距離を感じ…

アトリエの箱

どこまでも芸術家でありたいと思った。 君だって誰かを殺したくなる時があったでしょう。 哲学と音楽と言葉とコーヒーと。 ぼくを構成するすべてが何かを否定しようとするのなら、 法律とか良識とか、 そんなものが何になるっていうの。 水槽に閉じ込められ…

うたかたはうつつのそばで

簡単に死ねなんて言うなよ。 何も傷つけたことのないみたいな、無垢な顔で君は言う。 歌がどこまで歌であり続けられるかなんて私は知らないけれど、 誰もが音楽の必要性を信じてる。 その金魚に名前はない。 さっき読んだ小説の主人公のほうが、 私たちより…

金曜日のレイトショー

「何かをつくるときはいつだって孤独だ」 ロックンロールはそう言った。 たとえば神様が、孤独で、 だからさみしくなって、 この世界をつくったのなら、とても素敵。 君と昨日読んだ小説の話をしたい。 街を歩く冬の空気や、 ぼくらと世界の間にある薄い膜に…

鳳仙花

ぼくにふれないでよ。 こわい、こわい、こわい。 はじけて、こわれて、とびちって。 ぼくのつづきにぼくはない。 ああなんと生きにくい世の中か。 親知らずは痛いし、爪が伸びるのは気持ちが悪い。 こんな世界にも大好きなひとたちがいます。 なんて、ざんこ…

明日

死にたいと思ったことはある? 生きる意味や、死ねる理由について考えたことは? ないならそれはとても、とても幸せなことだ。 生の価値を信じられるあなたが、私は本当に羨ましい。 私はまだ死んでない。 世界はこんなにも死で溢れているのに、 たぶん私に…

生活

寝癖がなかなか直らないと生きてるって感じがする。 生きてるからなんだっていうんだ。 紙を43回折ると月まで行けるんだって。 月まで届いた紙の塔なんてただのゴミだ。 あるいは蜘蛛の糸。 救われるのならと誰かは折るかもしれないな。 誰だって何かを変え…

甘露

その果物は甘いそうです。 教えてくれたのは誰だったかしら? 友人だったのか、両親だったのか、恋人だったのか、 はたまたカミサマだったのか、今ではもう覚えてないけれど、 その果物が甘いことを私は今のところ信じています。 「三口齧ると死んでしまう、…